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2021 . 06 . 14

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オフィスの在り方を見直し、働き方の多様化へ対応。移転に向けてBoostプロジェクトが手掛けたシステム面の変化・強化

ギークスグループのメンバー全員の更なる生産性向上と働きやすい環境整備のために、情報システムの観点から様々な施策に取り組む「Boostプロジェクト」。今回の本社移転の際にも、より良いシステム環境の構築が実現できるように新たな取り組みを提案、実行しました。
Boostプロジェクトメンバーの1人、情報システムチームリーダーのUchinoに、取り組んだ内容や背景について話を聞きました。

▼Boostプロジェクトについてはこちら
攻めの姿勢で働きやすい環境を創っていく。Boostプロジェクトの価値とは?

オフィス環境の定義を見直し、多様な働き方に対応する施策を実行

ー今回の移転に際して様々な施策を実行したBoostプロジェクトですが、まずは取り組みの目的を教えてください。

Uchino:今回の本社移転は「働き方の多様化に対応すること」を大きな目的としていました。この実現のため、情報システムチーム(以下、情シス)は、移転先でのオフィスワーク・リモートワークが両立できるIT環境の構築が求められました。

「働き方の多様化に対応する取り組み」は、移転が決まる前からBoostプロジェクトで検討を行っていたため、スムーズに取り掛かることができました。移転に伴い、重視したことは「ロケーションに縛られずに生産性向上を可能にする」「セキュリティの境界をなくし、強化する」という2点です。これまでの本社オフィスでは、「オフィス内は社員だけの環境である」ことが当たり前の認識でした。しかし、移転先のWeWork内には多数の企業が同居し、一部のスペースを共有しています。移転を機にこの認識を根本から改め、「全員がパブリックなスペースで作業すること」を前提に、強固なセキュリティを実現するための機器やシステム・ネットワークの設計を行う必要がありました。

ーそれでは実際に取り組んだ内容について教えてください。

Uchino:通常の移転作業に加えて、改善施策として実現した取り組みが以下になります。

ゼロトラストセキュリティモデルへの移行
 ・社内ネットワークという概念を撤廃
 ・Akamai EAA/ETP導入(VPN廃止)
固定電話廃止
 ・固定電話を撤廃し、一部利用していたDialpadへの完全移行
03番号廃止
 ・03番号を廃止して050番号に統一(Dialpad完全移行によるコスト削減)
 ・クラウドPBXの実現(オンプレ機器の廃止)
オンプレサーバークラウド化
 ・ADサーバー及び会計システムサーバーのクラウド化
複合機クラウド印刷
 ・複合機クラウド印刷の導入(どこからでも印刷が可能に)
 ・Googleドライブ連携の導入(スキャンデータのクラウド保存)
インターネットFAX導入
 ・インターネットFAXによるペーパーレス化
 ・リモートワークでもFAXが確認できるロケーションフリー化

Uchino:ユーザーの利便性を向上させつつ、セキュリティの更なる強化を実現するという観点から、6つの施策を提案し実行しました。

より良い環境構築を円滑に進めるために重ねた準備

ー6つの施策の中で、特に注力をしたことは何でしたか?

Uchino:ゼロトラストのセキュリティモデルへの移行ですね。ゼロトラストとは、ネットワークではなく、ユーザーとデバイスで認証するというモデルです。これまではVPNを活用していましたが、リモートワークの増加やパブリックなスペースが共存するWeWorkへの移転に対応できるよう、更なるセキュリティ強化を目的に移行を決断しました。本社で働くメンバーも、リモートワークのメンバーも同質の強固なセキュリティを担保するために、ゼロトラストへのセキュリティモデルへの移行は必須でした。



▲Boostプロジェクトの社内資料より抜粋

Uchino:もう1つ、固定電話と03番号を廃止したことも個人的には印象深いです。
移転に際しNTT局舎が異なるため、これまで使用していた電話番号がどうしても変わってしまうという懸念がありました。解決策をいくつか検討する中で「せっかくDialpadを使っているので、これを機に03番号を使わなくするのはどうか」という話になり、その実現に向けて動きました。この実現により、コスト削減も可能にすることができました。


▲Boostプロジェクトメンバーの会議の様子 

ー今回の取り組みの際に意識したこと、気をつけたことは何でしたか?

Uchino:意識したことは次の5点です。

①まずは通常の移転作業を安全・確実に行い、業務影響を最小限に抑えること
②会社としてのセキュリティ・事業継続性を落とさず、むしろ高められる施策であること
③働き方の多様化に対応できる施策であること
④従業員の生産性を高め、かつ様々なストレスを軽減する施策であること
⑤コストの最適化(不要システムの廃止、契約プラン見直しなど)

Uchino:今までのシステムの使い方からガラッと変わる施策が多く、メンバーに大きな影響が出るため、「いかにスムーズに移行できるか」が大変でした。プロジェクト開始から移転完了までの期間が半年ほどと短かったため、タイトなスケジュールにおいても円滑に進めることに細心の注意を払いました。

事前の検証を重ね、「この変更によってシステムのどこにどのような影響が出るか」を考え、影響を最小限に抑えて実現できる方法を模索し、メンバーから疑問や困りごとの問い合わせが極力発生しないマニュアルづくりを目指しました。
通常の移転作業だけでなく、移転を好機として新しい取り組みや改善施策を組み込んだので、苦労も多かったです。しかしこのタイミングで、Boostプロジェクトとして実現していきたいステップがかなり進んだことは良かったと思っています。

ー数多くの提案について、経営層からの了承はスムーズに得られたのでしょうか?

Uchino:そうですね。会社やメンバーに大きな影響がある施策をたくさん提案し、コストがかかる施策も中にはあったのですが、経営層は我々が目指す先に理解を示し、チャレンジさせてくれるので、非常にやりがいを感じます。

「メンバーが最高のパフォーマンスを発揮できる環境」づくりへの挑戦は続く

ー移転における取組みもまさに「攻め」の姿勢で実現したことが伝わりました。今後取り組もうと考えていることがあれば教えてください。

Uchino:今後ますます、働く場所・働き方の柔軟性が求められていくのではないかと感じています。そうした変化においても、いかに「メンバーが生産性高く業務を行える環境」を作ることが出来るかが重要だと考え、いくつかの施策を検討しています。

ゼロトラストセキュリティモデルの強化
・ID統合(AzureAD/SSOを活用したアカウント管理の一元化)
・多要素認証、生体認証、パスワードレス化
・クラウドストレージ導入
・次世代アンチウイルス(NGAV)&EDR導入
・CASB導入(クラウドサービス利用の可視化&制御)
次世代ネットワークによる高速化

働く環境や働き方が変化・多様化してもメンバーが業務に集中でき、かつ最高のパフォーマンスが発揮できる環境づくりを継続して行っていくことがBoostプロジェクトの役割だと捉えています。そのためにシステムが原因となるストレスを極力排除し、「セキュリティ」「生産性」「柔軟性」の3つを共存させて、どれも欠けることなく高いレベルでこうした環境づくりを実現させていきたいと思っています。

※本記事は、2021/6/14に公開したギークス公式noteの転載記事です。

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