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2022 . 03 . 11

CORPORATE

3.11から学ぶ。経験者が語る「必要な心構え」

ギークスグループでは、3月7日(月)~3月11日(金)の1週間を「Well-being Week」と題し、メンバーに向けてWell-being(ウェルビーイング)の働きかけや啓蒙に取り組んでおります。その中で、安心安全な職場環境づくりや働きがいの向上、健康増進を目指した様々なプログラムを準備しています。

肉体的・精神的・社会的に満たされた状態のことを指します。「Well-being」という考え方は、メンバーの健康やワークライフバランスを整えるために重要な要素であるという認識が広まりつつあり、海外では企業にとって必要不可欠な要素であると認知されています。

今日は3月11日。2011年同日に発生した東日本大震災により、多くの被害がもたらされ、日本中に大きな悲しみ・衝撃を与えた日です。

震災に限らず、様々な天災が起こりうる可能性がある中で、私たちはどのような備えが必要になるのか。もし、オフィスで被災したら?

東日本大震災当時、宮城県に住んでいたIT人材事業本部のEjiriが、当時の様子を伝えつつ、災害への備えや心構えについてまとめました。

私の被災経験

前提として、これからお話する内容は皆さんに恐怖感を与えたい訳ではありません。今後、もし大きな震災が起きてしまった時のために、心の準備をしていただければという想いから、お伝えします。

※ここから先は、東日本大震災当時に関する画像や文章がつづられております。つらい記憶を引き起こしてしまう可能性もありますので、ご了承頂けますと幸いです。


▲災害時の様子

当時私は中学3年生で、自身の学年の卒業式前日でした。午前中で学校が終わり、自宅で1人ゆっくりしている時に大震災が発生しました。

まるでアラートの意味がないほど、携帯電話の緊急地震速報が鳴った直後に大きな揺れがやってきました。

これまで経験したことの無い揺れ。
動くことが想像できないほどの重い家具が床をスライドしている光景。
家中の物が揺れる音と地響きのような重低音。

すべてが今までにない初めての感覚で、言葉では簡単に言い表せないほどの恐怖に襲われました。

「歩けなくなるほどの揺れ」をみなさんは体験したことがあるでしょうか。

真っすぐに歩けない、数メートル先に行くのもおぼつかない、身体の自由を奪うほどの大きな揺れは、咄嗟に最善の行動を取るための判断力を奪っていきます。

やっとの思いで外に出ると、電線は縄跳びのように揺れ、車も動いていない異様な静けさに
とても不思議な気持ちになったことを覚えています。


▲災害時の様子

幸いにも、家の中は落下したものや破損したものがほとんどなく、復旧するまでに多くの時間はかかりませんでした。

その後は、家族の安否確認と自分の身の安全の確保です。もちろん他の人も同じ事を考えるため、電話やメール等の連絡手段はすぐ混線となり、連絡を取り合うことは不可能になりました。

私の場合は、母が実家近くの職場で働いていたため、安否確認がすぐにできました。しかし、母も職場での対応が優先だったため、私は当時通っていた中学校に向かい、先生・友人と安否確認を取り、暗くなるまで友人と過ごしました。

震災が起きてから電気が復旧するまでの1〜2週間は微かな懐中電灯の光だけで過ごしていました。

翌日から大変だったのが、食料と水の確保です。長蛇の列ができたスーパーでは、「1人10品まで 1000円均一」という条件の下、必要最低限の物資を確保しました。トイレを流す生活用水と飲み水、その両方を確保するために、市が提供してくれた給水車には、朝から何度も並びました。

実家には食料がたくさんあったので、傷みやすそうなものから順に消費していきました。そこまで、食べるに事欠く生活にならなかったのは、今思うと幸せなことでした。

しかし、一番怖かったのが、情報が入って来ないことです。唯一の情報入手手段がラジオでしたが、耳で聞くだけではいまいち震災の規模や被害の大きさが想像ができず、漫然と情報が流れていました。

事の大きさを知ったのは電気が復旧し、テレビがつき、信じられない程の大きな津波の映像を見た時でした。

しばらくして電気、水道、ガスが順番に復旧していき、予定されていた卒業式が数日遅れで開かれました。在校生はおらず、卒業生も全員揃わない中(車で山形の祖父母の家などに避難していた人もいたため)での実施。その後は数週間遅れで高校の入学式が開かれ、徐々に元の生活へと戻っていきました。
               
               
私は宮城県の中でも山側に住んでいたためこのような被災で済みましたが、高校で出会った友人の中には、海側で被災し、家は流され、家族や友人が亡くなってしまった人も少なくありませんでした。きっと海側で被災した人たちは、今私がお伝えした状況とは比べ物にならないほど大変な経験をしたと思います。

災害が起こったときに「家に帰る」ために知っておくべきこと

ここまで私自身の被災経験をお伝えしました。私はこの経験があるからこそ、普段仕事をしている中でも身の回りの防災や備えに関して、考えることが多くなりました。

そのなかで、想像できる範囲でのお話になりますが、自宅ではなく外で災害に遭ったときに、
「避難経路」「帰宅手段」「街の混乱具合」の3点を事前に把握、または想像しておくと自身のパニックを和らげてくれると考えています。

避難経路

第一に「避難経路」です。

皆さんは今働いているオフィスの避難経路をご存知でしょうか。小さい頃は「なんの意味があるんだろう」と思いながら参加していた、定期的に実施される避難訓練があったからこそ、もしもの時のイメージが勝手にできていたのではないかと思います。

もし今、オフィスで大地震が発生し、「歩けなくなるほどの揺れ」が起きた場合、事前の情報や予測がなければ、「最善の行動をとる」ことは不可能に近いです。そのためにもまず、大地震などの天災が起きた際に、どこに向かえばいいのか、どのようにしたら地上に出られるのかなど、避難経路を日頃から把握しておくことが大事です。

帰宅手段

次は「帰宅手段」です。

都心に住んでいると、電車やバスで30分~1時間かけて通勤しているという方が多いのではないでしょうか。

災害が発生すると、公共機関はまず運転中止となるでしょう。タクシー乗り場には長蛇の列ができ、実際に乗れるまでには何時間も待つことが想定できます。となると、残された最もシンプルな手段は徒歩での帰宅ということになります。

電車やバスで30分~1時間の距離を徒歩で帰るとなると、途方もありません。私は想像さえできません。通常時はなかなか考えにくいでしょうが、最悪の事態を想定すると自宅までの方向や距離、マップを把握しておいた方がいいと思います。

実際に歩いて帰宅するとなると、携帯の充電は大事に使いたいので、マップの確認は最低限になると思います。夜を迎えると、灯りの無い夜道を歩くことになるので、どちらに向かえばいいのか感覚的に分かるといいでしょう。

街の混乱具合

最後に「街の混乱具合」です。

少し大きめの地震や大雨による洪水、台風や大雪などで公共交通機関がストップするという経験をされた方もいるのではないでしょうか。

しかし大災害となると、建物は崩れ、地面は割れ、突然のできごとに大勢の人々はパニック状態です。どこかしらから悲鳴が上がり続け、最悪の場合、見たこともない光景が広がることもあるでしょう。

そんな状況でも、あらかじめ自分が取るべき行動をしっかりとイメージできていれば、パニックになることは少なく、冷静にいられることもあるはずです。「街は混乱しているのではないか」と認識しておくだけでも、いくらか余裕が生まれます。災害時のイメージとその準備が、とても大事な心構えになるのです。

自分自身や大切な人を守るために、やっておきたい3つの備え

「備えあれば憂いなし」という言葉がありますが、これは防災の観点ではまさにそうです。

ありきたりな話になるかもしれませんが、やっておくべき備えとしては「防災備蓄」「身の回りで起こる可能性のある二次災害の把握」「心構え」の3点が挙げられます。

防災備蓄

まずは防災備蓄グッズです。

食料品や飲料水などは備えておいて損はないと思います。冒頭にお話した私の経験談でもあるように、私の場合は実家に食料が多くあったからこそ、そこまで大変な思いをしなかったと感じています。

しかし、例えば一人暮らしだといかがでしょうか。昨今、コンビニ弁当やデリバリーサービスなどが広まっており、「冷蔵庫に食材なんてほとんどない」なんて方もいるかもしれません。

普段の生活はそれでまかなえるかもしれませんが、災害時のための保存食や水、懐中電灯などの防災グッズなどは準備しておくに越したことはありません。

実際に調べてみると「100均で揃う防災グッズ」という記事も出ていたりするので、割と手ごろに準備ができそうです。買いに行くのが面倒な人も、通販・ECサイトで探せば、防災グッズセットが売られているので購入することをおすすめします。

身の回りで起こる可能性のある二次災害の把握

個人的に一番大切な備えだと思うのが、二次災害の把握です。

東日本大震災でも、地震による被災以上に、地震後に発生した津波が一番大きな被害を与えたと言われています。

自分の住む家は海抜何メートルのところにあるのか、津波の影響は受けない範囲なのか。もしくは、家の近くにある川が氾濫したらどうなるのか。そもそも地盤は大丈夫なのか。

自然災害はあらゆる方法で私たちに被害を与えます。自然災害を無効化するのは不可能なので、事前の準備・心構えが重要になってきます。

ネット上では、自分の住む家や地域が、万が一災害が起きた時にどのような被害が出てしまうのか調べられるサイトもあります。そういった情報を頼りに、二次災害時の対策を防災備蓄と一緒に、準備してみてはいかがでしょうか。

心構え

ここまで、私の東日本大震災時の経験談や想像しうる懸念、備えておくべきこと、などをお話させていただきましたが、全てを通じて皆さんにお伝えしたかったのが、この「心構え」です。

震災は本当に大変です。想像以上の混乱を招きます。東京などの大都会で被災してしまったら、街がどうなるのかは被災経験のある私でも想像もできません。


少しでも被災のダメージを軽減できるように、
少しでも被災後の生活にゆとりをもてるように、
絶対に大事な人を守ることができるように。

この記事に書いてあることが、皆さんの心構えの一部になれば私はとても嬉しいです。


自分の身を守れるのは自分だけです。
大事な人を守れるかどうかは、あなた次第です。

もしまた大きな震災が起きた時に、あなたが後悔をしなくてすむように、この情報が何か役立てばと願っています。

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