2022 . 02 . 25
CORPORATE
ギークスグループの「社会貢献」に対する考え方
ギークスグループでは、2021年4月にESGステートメントを掲げ、ESG経営を進めていくことを宣言しました。
「21世紀で最も感動を与えた会社になる」というグランドビジョンの達成のため、持続可能な社会の実現・継続的な企業価値の向上を両立しながら、事業活動を推進しています。
ESGステートメントの策定からもうすぐ1年。代表の曽根原とSDGsアンバサダーとしてサスティナビリティ活動全般のプロジェクトを担う佐々木に、ギークスグループの社会貢献に対する考え方、ESG経営を進める意義について、改めて話を聞きました。
(取材・構成・執筆:ギークス広報 Anzai)
ギークスグループとESG
ーESGステートメントを掲げて1年が経とうとしています。改めて、ギークスグループがESG経営にどのような想いをもって取り組んでいるのか伺いたいです。
曽根原:企業活動にはそもそも「世の中にない新しいものをイノベーションとして生み出す」という考え方と「顕在化している社会課題に対して事業活動を通じて解決する」という考え方の2つがあると考えています。私たちの場合は後者です。
ESG経営は、環境・社会・ガバナンスの3つの観点から、長期的な成長を見据えた企業活動を進めていくための指標ですが、本質的には、持続可能な社会の実現のために、事業活動を通じてどのように社会的責任を果たしていくのか、貢献していくのかという企業からのメッセージだと考えています。
2030年に国内のIT人材が最大79万人不足するだろうと言われている社会課題に対し、私たちはフリーランスという働き方を広げ、IT人材をシェアリングする時代を導くという解決策を提示し、事業を進めています。
社会課題を解決するための事業活動であるという軸をぶらすことなく、誠実に社会的責任を果たしていこうと考えています。
佐々木:企業の社会的責任とは、かつては日本経済を活性化させることだったのかもしれませんが、現在は「事業活動を通じ、どのように社会に貢献できるのか」ではないかと考えています。ESGという指標も、SDGsへの取り組みも、「持続可能な社会の実現のためにあなたたちには何ができるのか」という問いに対する回答です。
ESGは投資家目線の切り口という印象もあるので、メンバーに対してはシンプルに、事業を通じた一人ひとりの活動が、社会のどこに貢献できているのか、何に役立っているのかを意識しながら業務を進めてほしいなと感じています。
ー昨年の5月には中期経営計画「G100」を発表しました。事業の未来について、ESGの観点、あるいは社会貢献性の観点からお聞かせください。
ギークスの中期経営計画「G100」を策定した背景とは?取締役CFO佐久間大輔インタビュー。
曽根原:高齢化社会が進む現代では、労働人口が減る一方で、目まぐるしいテクノロジーの進歩によって、効率的な人材配置を実現することで、事業が進展しています。しかし、テクノロジーの進歩を作り出す担い手であるIT人材の不足は、より顕著となるでしょう。
先日、プレスリリースを発表しましたが、グループ会社のシードテックがサービス提供を開始する、法人向けSaaS型IT人材育成プログラム「ソダテク」のように、企業内個人に対し、リスキリングやリカレント教育の機会を提供することで、異業種の現役世代をIT人材に育てるという手法を通じ、IT人材不足という社会課題へのアプローチを模索しています。
法人向けSaaS型IT人材育成サービス「ソダテク」を2022年4月より提供開始
経営者は、少し先の未来に起こるであろう社会課題を予見し、サービス提供を考えていかなくてはなりません。IT人材を育て、フリーランスとして活躍できるプラットフォームを用意することが、今の私たちにフィットした事業展開ではないかと考えています。
佐々木:ESGという観点では、曽根原が話す事業展望は社会貢献性が強く、「S」に対する施策であると考えています。東証一部上場企業という立場上、ガバナンスへの目線は厳しいものがあり、必然的に「G」に対する取り組みが進展しています。
ただ、事業の性質上、「E」に対する施策を定義づけるのはなかなか難しく、環境面への貢献については、SDGsへの取り組みを軸としたメンバーレベルの活動に期待している側面があります。役割を分担し、網羅的に取り組めるように工夫しています。
ギークスグループとSDGs
▲SDGsアンバサダーの佐々木(左)と代表の曽根原(右)
ーコーポレートサイトにサスティナビリティページが設けられ、SDGsの達成を目標に、サスティナビリティ活動が進み始めてからは2年以上が経過しました。現在ではどのような取り組みが展開されているのでしょうか。
曽根原:経営陣を中心としたトップダウンに近い方法でESGを推進しているのに対し、SDGsへの取り組みは、メンバーのアイデアや意見をまとめ、行動につなげていくようなボトムアップ型の体制を整えています。基本的にはSDGsアンバサダーの佐々木に委ねており、今では現場発信のプロジェクトをいくつか束ね、走らせてくれています。
佐々木:SDGsは「誰一人取り残さない」というスローガンのもと、17の目標に対して行動を起こしていくものですが、「世界全体で目指すもの」である限り、ギークスグループで働く一人ひとりに意識・行動してほしいテーマです。
ただ、「やらされ感」で進めてほしいことではありませんし、強制することでもないと考えているので、興味をもって手を挙げてくれたメンバーとともにSDGsのプロジェクトを進めています。
例えば「17Action」というプロジェクトでは、17人のメンバーにSDGsの目標をひとつひとつ受け持ってもらい、目標達成につながる日常的にできる行動を掲げてもらいました。紙コップを使わない、節水3か条、生ごみを出さないといった行動目標ですが、そのひとつひとつがSDGsの達成につながります。わずかな行動でもつながる、という発見があるといいなと思っています。
ーSDGsへの取り組みなどは、企業ブランディングにもつながると言われていますが、グループ全体の社会貢献に関する発信については、どのように考えていますか。
曽根原:企業からの発信という点においては、PR領域・IR領域・HR領域などが挙げられます。今年度からギークスグループでは「CSRレポート」を発行する予定で、特にPR・IRでは、このレポートを使いつつ、適切に情報発信できればと考えています。
株式市場の再編に伴い、プライム市場を選択しており、サスティナビリティに対する取り組みの開示が今まで以上に求められています。あらゆるステークホルダーに対して、自社の取り組みを真摯に伝えていけるように、体制を整えていきたいです。
佐々木:1月にギークスグループのInstagramのアカウントを立ち上げたのですが、SNSやnoteなどで日常のアクションについて細かく発信できればと考えています。社内のチャットツールでも定期的に活動報告することで、社内浸透や興味喚起につなげられればと思っています。
採用においても、企業の社会貢献性が判断基準のひとつに挙げられており、その比重は高まっていると言われています。社会貢献活動に関する発信は今まで以上に必須です。
全体会議で伝えた「貢献」とは?
ー2021年度上期全体会議では、曽根原社長から「貢献」に対するメッセージがメンバー全員に伝えられました。
曽根原:仕事をしていると目先の数字に囚われやすいですが、自分の仕事の先に何があるのか、自分の仕事がどのように社会に貢献できているのかを意識することで、仕事の捉え方やモチベーションが大きく変わります。社会に貢献するプロセスが様々にある中、そのひとつが仕事です。社会に貢献していることに自信をもって取り組んでほしいと考えています。
佐々木:全体会議では司会の席から曽根原の話を聞いていたのですが、自分の仕事が会社の何に役立っているのか、社会のどのような課題解決に貢献できているのか、改めて見つめ直す機会になりました。SDGsアンバサダーという役割ですし、「社会への貢献」という言葉がトップメッセージで伝えられたことに対する責任を強く感じました。
ー最後に「貢献」というテーマでメンバーに一言お願いします。
曽根原:企業に所属しているということで、組織に対する貢献にも目を向けてほしいと思っています。自分の力を還元して、仲間、部署、会社に対してどのように貢献できるのかという意識を持ってほしい。持続可能な社会の実現が目指されている今、自分のことだけを考えて行動するのは、社会から、そして組織から弾かれてしまうのではないかと感じています。
佐々木:生まれつき両足が不自由な障害者である自分自身から考えると、今の社会に「生かされている」「支えられている」という感覚があります。「持ちつ持たれつ」という言葉が好きなのですが、自分ができることで他者を助け、自分が苦しいときは他者の力を借りるという「お互い様の精神」が、組織にも社会にも広がればいいなと思っています。その一員になるための鍵が「貢献」なのではないでしょうか。